パンダバスへの熱い思い
   昭和6年に第一回卒園生を31名送り出して以来、
半世紀以上の年月が経ち熱海の歴史を感じさせる幼稚園でのお話です。
 1990年、60周年記念で「新幹線バス」が送られました。しかし園児の送り迎えはバス一台では足りなくて、もう一台購入する事になりました。そこで、新幹線バスに感激した園児の笑顔を思い浮かべながら「今度はどんなバスがいいか」と話し合われました。
 バスと言っても普通のバスとはデザインも違う、そうおまけにお値段もそれなりです。当時の副園長達からは「ロンドンバス」がどうか…との意見もありました。イギリスの素敵なあのバスを想像してください。子供はもちろん、きっと父母からのうけもばっちりでしょう?!(私好み)。しかし、当時の園長であった理事長先生は、なんと「パンダがいい!!」と決めたそうです。でも周りではそのための資金はどうするのかため息が…。そこで「新幹線バス」にあれだけ喜んだ園児達のために、理事長自らの年金を解約までして資金調達しちゃったと聞いてしまったから、口はあんぐり目が点になりました。
 一部の報道では、「ユニークなバスを使って園児集め」と記載されたこともあったようです。その方は本当にそう思われたのでしょうか?私は違います。だってこんなにかわいいバスを見たら誰もが一度は乗ってみたいと思うはずです。大人である私がそう思って、幾年か前に偶然私達の結婚式でお話する機会があったとき、「(冗談で)新婚旅行の時、貸し切りでレンタルして下さい。」と話したことがあるのです。「いいよ」とおっしゃった先生はたぶん全く覚えていらっしゃらないかと思われますが。(笑)
 2000年に70周年記念式典が行われ、新型「700系バス」が贈呈されました。幼稚園の卒業生から在園児の父母の会、ほかにも医王寺の檀家の方々の志で日本初、世界初、
宇宙初(ちょっと言い過ぎ?!)のバス登場です。いつも私が園児達と話すとき、「今日は新幹線なの?」とうっかり聞くと「違うよ、700系だよ!」と皆声を揃えて答えます。
 新型登場で引退した「新幹線バス」(最近私も詳しくなってデザインは100系でしょうか…?)は、理事長先生が彼(新幹線くん)のために園とは別の場所に駐車場を用意してくれて、今では山からのんびり熱海の海を眺めています。
 子連れで熱海に来たのなら、出来ることなら子供に見せてあげたいバス。みんなの愛情がこもった彼らを私も優しく見守っています。
パンダバス
(フォト絵本*ベビー版「のりもの」小学館にも載っています。)熱海童園幼稚舎70周年記念金木犀P6
700系新幹線バスnewbus1