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はじめは雪岳山ー2



1995年 はじめて韓国の山に登った時の紀行文です。前回登山基地に到着するまでを紹介しました。今回はいよいよ登り始めます。

◆ ホテルを出発
権金山城の岩山  朝、ホテルの窓からは正面に権金山城の岩山が見える。山域の名勝のひとつで、ロープウェイが往復している。バスで終点の小公園に行くと、入山料を徴収する建物があって、ひとり1600ウォン。これより雪岳山主峰の大青峰に登る最もポピュラーなコース、千佛洞渓谷に向かう。たけのこ状に林立する岩々を仏像に見立てての命名らしい。
 小公園の広場には大勢の中学生がかたまってしゃがみ、先生から色々注意を受けている。これに巻き込まれては大変と登山道へ急ぐ。両側に沢山の露店が出て、土産物や食べ物を並べてにぎやかに声をかけて来る。
 石橋を渡って、流れに沿った林の中の道をゆるやかに登って行く。気温は15度くらいで、歩くと半袖シャツ一枚でも暑い。
◆ 騒がしい仙境
飛仙台近くの岩壁、弥勒岩  1時間ほどで飛仙台と言う名勝ポイントに着いた。水は一枚岩の上を滑り、両岸は垂直に近い滑らかな岩壁で、上方は巨大な筍状に分かれて隆々と立ち並び、その肩や頭に子供や孫の筍が乗っかり、隙間隙間には松や常緑樹が生い茂って素晴らしい景観である。
 昔ここから仙人が飛び立ったと言うが、本当にそう思わせる雰囲気である。とは言え、別の学童団体が先着していて、ハンドスピーカーを持った先生の声がガンガン響いて、仙境と言うには騒々し過ぎた。
◆ 清流は動と静との美しさ
滝壷は見とれるような翡翠色  これより道は林間を抜け、絶壁に挟まれた巨岩累々の渓谷を、各所に架けられた鉄製の階段や歩廊を登る。目を瞠るような絶景の連続で、海のすぐ傍にこのような深山幽谷があるのは驚きである。岩を噛む急な流れが一休みする深みや各所の滝壷ではウットリするようなエメラルドグリーンで、長く急な階段の苦しさを忘れさせてくれる。
 降りて来る人達と挨拶を交わしながら進む。時々20人位の中高年の婦人の団体に出会うと「(逢えて)嬉しゅうございます」と大きな声で、中には合掌して挨拶してくれる人もチラホラ。こんな人懐っこい良い人達に、日本は神話の昔から何をして来たのか・・・
◆ 遅れるルートタイム
陽瀑山荘の前で昼食を摂った  計画段階で距離と高度差を調べ、頭に描いていたルートタイムは、はじめの内こそ合っていたが段々遅れて、3時間で着くと踏んだ陽瀑山荘に4時間かかり、12時過ぎになったので此処で昼食とした。
 ホテルの弁当は折りのふたつ重ね。多いなと思いながらザックにつめたのだが、開けてビックリ!飯も菜も大層な量だ。私は一セットをキープして、一セットを妻と分け合ったが、他のメンバーも半分以上残し、夕飯に食べたほか翌朝のオジヤにまでなった。イヤ韓国人は良く食べる。和式と韓式があったので韓式にしてもらったが、十数種類あったオカズのどれもが美味しかった。
◆ 段々景色は良くなるが
そそり立つ岩の峰は、その名も恐竜稜線  ここからは渓流を離れて尾根に向かい、傾斜はますますきつく、一連の鉄階段が高度差100mに及ぶところもあった。段々千佛渓谷の岩峰を見下ろすようになって、景色は良いが登りは苦しい。当初1時間半程度で着くと思った喜雲閣まで3時間かかった。
 ザックに山菜を一杯に採ったオジサン達がいて、韓国セロリだと言いつつ、太い茎の皮を剥いて、味噌をつけて食べさせてくれる。日本の旅番組で地元の人達との交流が良く紹介されるが、「やらせ」が多いのではないかと、少なくとも私はそう思っている。しかし韓国では本当の「ふれ合い」がある。
 このあと林を抜けて、トビキリの絶景が眼下に広がった。





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