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慶州南山佛蹟ー2


入山禁止と言われたり、山道で迷ったり、てんやわんやのハイキングの始まりです。

◆ 4月10日 まず塔谷
   テレビの天気予報では二日間晴れるらしいが、天候が確実なうちに今日南山を目指すことにする。登山と言うより、南山山中に散在する新羅佛教の遺蹟・石仏めぐりが目的であるが、遺蹟の参考資料では絵図面程度で、その存在場所の詳細が分からない。これを頼りに観光地図に推定場所を書き込んだ私製地図が唯一の手がかり、あとは現地で聞きまくるのみ。これが外れたり当たったりの弥次喜多道中とは相成った。
 朝6時、ホテル前から循環バスに乗って仏国寺団地に行き、以前に入ったことのある食堂でカルビタンの朝食とする。再び循環バスに乗り、運転手に菩提寺(ポリサ)に行きたいと告げる。ここだと告げられたバス停は「ケンマウル前」となっていた。バス道路から山手に入って行くと、分岐に左が菩提寺・右が玉龍庵とした立派な標柱石が立っている。
 まず玉龍庵の方へと、堆肥の臭う田圃道を歩き出す。程なく次の分岐があり、玉龍庵入口とあるが左に入る道が二つある。ここで出会ったオバさん達に「仏岩は?」と尋ねたのが間違いの始まり。もっと北に回るように言われ、小川沿いに焼く1キロ歩いたところで山に向かう小道があった。
 その入口で地図を広げてタムロしていたところへ、スクーターの後ろに赤い三角旗を立て、赤帽赤シャツのオジさんがやって来た。ザックを担いで10人も群れていればイヤでも目に付くだろう。
 南山の石仏巡りをすると言うと、今は入山禁止だと言う。「エーッ!そんな、そんな!」。理由は良く分からないが、5月末までダメだと言う。わざわざ日本から来たんだとかなんとか応酬の後、仏岩はここから行ける、まあ道を間違えないように、内緒でちょっと行って来いや、テナ感じでオジさんは去る。公的な監視員なのかボランティアなのか、このスタイルの巡回姿を、そのご何度か見かけた。
 田圃の中を数百米も歩くと山道になり、松林の中にヤマツツジが咲いている。天気は良し、暑い暑いでTシャツ1枚に。やがて道があやしくなり、土マンジュウの土葬墓に行き当たっては向きを変えているうち、ついに道がなくなった。ここぞと思う方向へ、茂みを掻き分けて登り、小さい尾根に出た。右手に向けて登る方向に「ジャンチャンゴル」(長倉谷)の標識、これは南山城址方向になる。北に向け尾根を下る道もあるが、頭にインプットしたイメージに従い、東方向に降りる道を採る。土葬墓を横目に次の古尾根に登り、樹間に慶州市街の方向を見定めて、尾根の東斜面を降りて行くうち、下方に、道を尋ねた玉龍庵入口が見えて来た。松葉が深く積もった急斜面を下ること二十分で地上の人となった。
 小さな流れを遡ると、右手に小庵が見えて来た。小橋を渡ればその玉龍庵の境内、直進すると南山に登る道となるが、入山禁止とした横断幕がある。モタモタしていると、境内の方より「オーイオーイ」と呼ぶ声、入山禁止の呼びかけだ。境内に入って行って「仏岩」を探しに来たと言うと、一瞬怪訝な顔をしたが、「マエエソップル」(磨崖石仏)のことだろう、それならこの上だと境内の左奥を指差す。
 分かった! 案内資料に「仏岩」と書いてあったので、そう言ったのだが、あのオバさん達も赤旗のオジさんも、仏谷の小仏像のことと思ったのだろう。数多い石仏を地元の人たちが実際になんと呼んでいるかは、来て見なけりゃ分からない。先年はタクシーでいきなり境内に連れ込まれたので、道順を覚えていなかった。
 土の斜面を数十米も登れば、あったあった!1年半ぶりの塔谷の仏岩、巨大な岩の四面に仏像などが浮き彫りで刻まれているほか、等身大より少し大きい如来立像や三重石塔もある。私以外は皆さん初めてで、感嘆の声が挙がる。辺りでは雑木林の芽吹きの中、桜の大樹が満開である。

玉龍庵入口標柱

塔谷の仏岩

仏岩背後の石仏
◆ 弥勒谷
   もと来た道に戻り、最初の分岐から今度は弥勒谷の菩提寺に向かう。スグに右手西向きに上る急坂の舗装道があり、左にカーブしながら数百米登ったところで、傾斜地に階段状に境内を設けた菩提寺があった。左奥の最上部に、南山の中で最も完全な姿で残っていると言われる、新羅文化絶頂期の石造如来坐像(露座)! 岩の重量感と柔和な表情、周辺に何の飾りもない、林に囲まれた広場は、そのままで仏の世界の雰囲気が漂っているようである。東方の彼方には娑婆の世界が霞んで見え、セマウル号の汽笛の音が遠く風に乗って聞こえて来る。
 入山禁止となると、以降、山中ほとんどの石仏巡りが出来ないので、一旦バスで慶州市内に戻り、タクシーで南山西麓や西岳の遺蹟、市内に戻って古代の天文台と言われる膽星臺や、天馬塚などを見て回った。
 本日の夕食は韓定食(伝統的な会席料理)とする。料理の種類は盛りだくさんであったが、一番安いセットにしたせいか、豪華さはいまいちだった。それでも満腹ほろ酔いで一人1300円弱。そんなことより、この店での大ヒット!店のオバサンたちとの雑談の中で、南山が入山禁止だったと言うと、三陵からなら入れると言うではないか!。オーッ!明日リターンマッチだ!。焼酎の酔いと明日への期待を友に、快く御帰館。

南山私製地図

行けなかった七仏庵(秋に再訪)

冷谷磨崖大仏





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