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11月始めから、天満宮の境内にはさわやかな菊の薫りが漂います。 「菊花展」と「残菊の宴」は、菊を愛し、文と書に秀で、しかもここ太宰府で残菊のごとくひそやかに、清らかに晩年を過ごされた道真公を思うに相応しい、太宰府の秋の一つ、ひとつなのです。 |
| ◆ 菊花展 |
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毎年、11月初めから下旬にかけて三週間ほど開催される、秋の天満宮名代のイベントです。 福岡をはじめ佐賀、長崎、熊本などの愛好家“秋芳会”の方々が、丹精を込めて育てた1,500を超える力作が献花展示されています。 開催の直前には、お客の代りに菊の花鉢だけを乗せた西鉄臨時電車が大牟田から太宰府まで走り、熊本や福岡県南部の出展鉢を運びました。 本殿では、黄、赤、白の大懸崖(だいけんがい)が左前と右前に対に並んで目を引きます。 楼門前には、左右に大きなモニュメントが飾られています。 また参道にも色とりどりの菊の鉢が両側に並んでいます。 |
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| ◆ 境内あれこれ |
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回廊には三鉢一組の“盆栽菊”がたくさん飾られます。 楼門前の天神広場は日除けのヨシズ掛けで埋まり、そこにはいろんな仕立て方の大輪の菊が並んで、目を楽しませてくれます。 例えば 大輪12鉢組花壇 一鉢3本仕立て、一組12鉢12品種3色、高さ前1m、後1.5mの配列 だるま作り 一鉢3本仕立て、一組5鉢5品種3色、高さ65cm以下 福助作り 一鉢1本仕立て、一組5鉢5品種3色、高さ50cm以下 |
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| ◆ 残菊の宴 |
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菅原道真公は梅とともに菊をも大層愛されました。菊花展の期間中、11月20日前後に、道真公のお心を偲んで「残菊の宴」が催されます。 道真公は太宰府の配所でご自分で菊を植え育て、また菊を詠う詩や和歌を数多く残されました。 とくに残菊がお好きで、晩秋の夕暮れに浮かぶ白菊の残花に思いをよせた秋晩題白菊〔秋の晩(ゆうべ)白菊に題す〕は有名な詩です。 涼秋月盡早霜初 涼秋の月尽きて 早や霜初む 白菊残花雪不如 白菊の残花 雪も如かず 老眼愁看何妄想 老眼愁へ看る 何の妄想ぞ 王弘酒使便留居 王弘が酒の使ならば便(すな)はち留めて居らしめん この「残菊の宴」は、大宰大弐小野好古(おののよしふる)が、964年(康保元年)に始めました。三月の「曲水の宴」に引きつづいて6年後のことです。 九州在住の書道家が集まり、平安時代の装束をして、まず曲水の庭で溝を流れてくる盃で菊酒を頂き、その後、庭に続く文書館でこの装束のまま席上揮毫(きごう)して奉納します。 春のきらびやかな「曲水の宴」とはちがった、しみじみと落ちついた秋の雰囲気がただよいます。 |
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