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“うそかえ”と“鬼すべ”

太宰府のお正月は、1月7日の夜に行われる二つの恒例の天満宮神事でクライマックスを迎えます。いずれも時代をかさねた有名なイベントです。

◆ うそかえ
木うそ
 1月7日午後7時から1時間ほど、楼門の横、絵馬堂の前の広場で行われます。どなたでも参加できます。

 「うそ(鷽)」は、頚から頬にかけて美しい紅色をした鳥で、天神さまのお使い鳥とされています。
 
 本殿脇で求めた「木うそ」をもって集まった人々は、灯りが消えた真っ暗闇のなかで、“替えまっしょ”“替えまっしょ”と声を掛け合いながら、「木うそ」を交換し合います。

 この混雑の中に神官が持ち込んだ「金うそ」が6個紛れ込んでいて、終わって灯りが点いたときに、この「金うそ」を持っている人が幸運をいただくという、賑やかなお祭です。

 知らず知らずのうちについた嘘を、「木うそ」を替え合うことで天神さまの誠に替えていただくお祭り、と云われています。
◆ 鬼すべ
鬼すべ
 1月7日夜に行われる、新春の追儺(ついな)、おにやらいの神事、火祭りで、年の始めにその年の災難消除、とくに火除けを祈る、天満宮の三大祭の一つです。

 形はいろいろ変わりましたが千年の歴史を持ち、福岡県指定無形民族文化財になっています。
 
 午後8時半から9時までの間に、“鬼係”、“鬼警護係”、“すべ手係”の一団がそれぞれにお祓いを終わって、鬼すべ堂に集まります。

 この係りは町内別に決まっていて、“鬼”は体の48ヵ所を荒縄で縛られ、姿を見せないように“鬼警護”の若手が取り巻き、“すべ手”は2メートルもある青竹の大団扇を担いで駆けつけます。出で立ちは茶色の筒袖、梅紋のハッピ、縄鉢巻、縄たすき、顔には墨を塗って、“鬼じゃ、鬼じゃ”とそれぞれの町内から境内に繰り込んでくるのです。

 堂の前では、“すべ手”が藁200把、青松葉33把を積んでカマを作ります。
 午後9時30分に火渡しが行なわれ、カマに火がつくと、“鬼警護”は堂の中からテン棒で堂の板壁を叩き破り、カマを取り巻く“すべ手”が大団扇で煙を堂内にあおぎ込みます。
 板壁がすっかり破られると、太鼓を合図に“鬼”が堂の中で7回半、ついで堂の周りを3回半、“すべ手”が火を煽ぎたてているなかを駆け回ります。
 一回ごとに神官が杖で鬼を叩きます。

 午後10時ごろ祭りは終わりますが、燃え残った板壁は火除けのお守りとして集まった人々が持ち帰ります。

 毎年、数千人の方々が参詣に集まります。
 燃え盛る炎とともに繰り広げられる“鬼”、“鬼警護”と“すべ手”との勇壮な攻防は、天満宮の社家の人々にとっては待ちに待った新年のお祭りなのです。





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