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梅と太宰府


太宰府市の市章
太宰府市の市章
冬の間、太宰府には梅の薫りが漂います。
1,300年の昔、古都大宰府の貴人たちは、こぞって庭に中国から渡来したばかりの梅の木を植えたということです。また菅原道真公は梅の花を愛しました。
「梅の花 紅の色にも似たるかな
阿呼がほほにつけたくぞある」

これは学者の家に生まれた道真公が、5才のとき初めて作った和歌です。太宰府市の市章には梅の花が取り入れられています。


★梅花の宴

730年(天平2年)正月13日、当時の大宰帥(長官)大伴旅人の邸で、梅花を愛でる正月の宴が開かれました。集まったのは筑紫の高官、国司、郡司たちです。それぞれ梅の花を詠んだ和歌が32首、万葉集巻五に"梅花の歌"としてまとめて載っています。
大伴旅人歌碑写真
大伴旅人歌碑
天満宮には、主の大伴旅人が詠んだ
「我が園に梅の花散るひさかたの
天より雪の流れ来るかも」
(5−822)
の歌碑が、また市役所前庭には、山上憶良の、
「春さればまず咲く宿の梅の花
独り見つつや春日暮らさむ」
(5−816)
の歌碑が建っています。
このほかにも万葉の歌碑が沢山あります。梅見に併せて万葉歌碑めぐりはいかがでしょうか。
山上憶良歌碑写真
山上憶良歌碑

★飛梅

天満宮と飛梅写真
天満宮本殿と満開の飛梅
(2002年2月15日)
京都から飛んできたという伝説のある梅の木です。天満宮本殿の向かって右前にあり、ご神木になっています。
901年(昌泰4年)1月25日、57才で、右大臣から大宰権帥(長官代理)に左遷され、追い立てられるように邸を離れる時、庭に咲く梅に、
「東風ふかば にほいおこせよ 梅の花
あるじなしとて 春な忘れそ」

と詠いかけて京都を発ちました。ところがその梅が道真公の後を慕って、大宰府の配所の庭に飛んできて毎年花を開いたということです。

2〜3分咲きです
(2002年1月19日)

現在の飛梅は何代目でしょうか、白梅の古木で、ご墓所である天満宮本殿の側にあって、その馥郁とした薫りを毎年道真公に届けているのです。
境内には6,000本の梅の木がありますが、一番早く咲くのがこの飛梅です。毎年、1月半ばに咲き始めます。薄紅がかった乳白の蕾が開花すると白に移ります。八重中輪の極早咲きです。品種は「色玉垣」。
天満宮のシンボルといってもよいでしょうね。
飛梅の表札写真
飛梅の表札には
鳥が書きこんで
あります。
何羽に見えますか?

★梅見と学業祈願

1月から4月の始めまでは、太宰府天満宮は梅見と学業祈願の方々で賑わいます。とくに土、日、祝日にはお正月のような混雑で、太宰府ICからの道路は凄く渋滞するのが毎年のことです。
天満宮の境内には、紅梅、白梅、一重、八重、早咲きから遅咲きと、200種類近く、6,000本の梅の木があります。楼門、回廊、本殿を囲むように東神苑、北神苑、奥梅林をうずめて咲き続けます。今年の見頃は2月半ばから3月半ばまで。桜と違って長い花時です。これらの梅の木は全国から捧げられた献梅だということです。飛梅に続いて梅の薫りにあふれる天満宮の冬は、春を待つ「梅の神苑」と云えるでしょう。そしてこの天満宮の梅林は、環境庁が平成13年10月30日に発表した「かおり風景100選」の一つに選ばれました。

※境内の梅の見どころや開花情報はつぎをご覧ください。
http://www.dazaifutenmangu.or.jp/ume/midokoro.htm
東神苑写真
東神苑
東神苑写真北神苑
祈願受付写真
祈願受付
また、この時期は受験シーズンです。「学問の神様」の総本社太宰府天満宮です。沢山の方々が合格祈願に見えます。本殿後背の回廊には願い事を書いた絵馬がいっぱい奉納されています。受験を含めた学業祈願は本殿に昇殿して祈願祭に参列し、ご神前で名前、住所を読み上げていただき、お札とお守りを授かります。お初穂料(料金とは云いません)は3,000円です。
また、いろいろなお守りがありますし、さらにどこからでも、郵便やFAXで祈願を申し込める仕組みになっています。「学業祈願」申し込みの詳しいことはつぎをご覧ください。
http://www.dazaifutenmangu.or.jp/miya/gkgy_app.htm
合格祈願がみんな叶えばいいですね。
奉納された絵馬写真
奉納された絵馬

★梅ヶ枝餅(うめがえもち)

梅ヶ枝餅写真
梅ヶ枝餅
参道の両側に軒を連ねる店々から"梅ヶ枝餅はいかがですか"の呼び声が続きます。30軒もあるでしょう。太宰府の名物です。糯米の粉を捏ねて小豆の粒餡を包み焼き上げた餡餅で、店先で4個ずつの鋏み焼き器を並べて、焼き立てを売っています。お値段は1個100円です。
店の奥の食堂で焼き立てを食べるのが一番美味しく、"「宰府参り」の幸運がこれでいただける"と昔から云われてきました。
道真公の配所の近くに麹屋のお婆さんがおり、何くれとなく公のお世話をし、お慰めしていました。公は903年(延喜3年)梅が咲く2月25日に亡くなりましたが、それを悲しみ、生前好まれた米の粉の団子を梅の枝に刺して火に炙り、枕元に供えました。これが「梅ヶ枝餅」の始まりと云い伝えられています。 ところで、美味しいのはどの店でしょうか? それは長い列ができているお店です。しかし日によって列ができる店が違うかもしれませんよ。餡の甘さと餅皮の歯ごたえ、結局お好み次第ということでしょうね。 参道に並ぶ店写真
参道に並ぶ店


★梅のおみやげのいろいろ

切っても切れない間柄の「梅」と「太宰府」。それを味わいとして実感できるのが、天満宮と参道のお店に並ぶ“おみやげ品”のいろいろです。
まず、境内約6,000本の梅の木から採れた梅の実を原料として天満宮が謹製した“天神さまの梅干”“御神酒”が本殿脇回廊のお守札所に並んでいます。小粒梅干の鮮やかな紅色、御神酒(梅酒)のやさしいまろやかな飲み口が好評です。お初穂料は梅干が1,000円(500g)、御神酒が800円、500円の二通りです。
つぎに参道のお店には、実にたくさんの「梅のおみやげ」が並んでいます。
梅の実をそのままの形に残したものには、“無添加自家製小梅(梅干)”“かつお飛梅(小粒梅干)”“かつおカリカリ梅”“あじ梅”“しそ巻梅”“しそ巻甘露梅”“赤ワイン漬甘露梅”“焼梅”“黒梅(干梅)”“青梅の粕漬”などなど。
また、梅肉を原料にして梅を味わうお菓子には、餅菓子に“梅の舞”“梅しぐれ”“梅焼き餅”“梅ゆかり”“梅もち”など、お煎餅に“梅小紋”“梅手焼き”“梅パイ”など、それに“小梅もなか”もあります。
さらに、梅の香りを楽しむものには、“梅茶”“梅抹茶”“梅香茶”“梅こんぶ茶”など、そして“梅の蜜”まであります。
お値段は、大抵、小が500〜600円、大が1,000〜1300円というところで、おみやげには手頃です。
太宰府、そして天満宮お参りのメモリアルは“梅”の味わいから・・。これもお奨めの一つです。
御神酒(梅酒) 梅のおみやげ 梅の舞(右)黒梅(左上)
赤ワイン漬け甘露梅(左下)


★曲水の宴

曲水の宴
曲水の宴
満開の梅にとけ込むような"曲水の宴"が、3月の第1日曜日(平成14年は3月3日)に、午後1時から太宰府天満宮東神苑の曲水の庭で執り行われます。曲水溝の畔で、衣冠束帯の殿上人、十二単(じゅうにひとえ)の姫、小袿(こうちぎ)の女房に扮装した人々が緋毛氈(もうせん)の上に座り、水上から酒を満たして流れてくる盃が、自分の前に来るまでに和歌を一首作って短冊にしたため、飲み干した盃にその短冊を乗せて流します。梅の花びらが琴の音に舞うこの宴は、集まった沢山の人々を雅やかな絵巻物のなかに誘い込んでくれるのです。
年始めの鬼すべ、秋の神幸式と並ぶ天満宮の三大祭の一つです。中国から伝えられ、宮中で行われていた行事ですが、天満宮では、道真公が亡くなった55年後の958年(天徳2年)に大宰大弐小野好古が始めたと云われています。大宰府に左遷され、つつましい日々のうちに生涯を閉じた文神道真公の霊をお慰めする、この上ないお祭りだったのです。
いまの姿に復活したのは昭和38年からですが、梅の天満宮の極めつけと云えるでしょう。
梅の香にひたりながら、ひと時を平安の時のなかで過ごされてはいかがでしょうか。

ところで、今年(平成14年)は道真公御神忌一千百年の年ですので、この御大祭の一つの特別イベントとして、恒例の3月3日(日)に加え3月10日(日)にも、この“曲水の宴”が開催されました。しかもこの10日には一般から募った詠み人が参宴したのです。参加募集は1月末までで、2月半ばには参宴の方がほぼ決まったということです。十二単姿の姫3名、小袿姿の女房3名、衣冠姿の諸官10名、武官姿の衛士2名の方々が選ばれて参加し、雅やかな宴を繰り広げました。毎年恒例の宴に加えて今年は、百年一度の、また違った雰囲気の宴が奉納されたのです。
また「曲水の宴」の詳細はつぎをご覧ください。
http://www.dazaifutenmangu.or.jp/tayori/kyokusui.htm






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