甘木・朝倉の民話


 いろんなところに行くと、いろんな民話や伝説が残ってます。
そこには昔の人たちの、暮らしや考え方が解ります。
歴史の町、甘木・朝倉にもいろんな話があります。

◆ くろくち犬の話〜甘木〜
 昔、十石峠のふもとに佐吉という猟師が住んでいた。佐吉はいつも猟にお供する、くろくちという犬をたいそうかわいがっていました。 ある日のこと、その日に限って獲物が一匹も取れず、疲れた佐吉は腰をおろして居眠りをはじめた。どの位眠っただろうか、くろくちが急に吠え出し、佐吉は「獲物があらわれた!」と思って目を覚ました。しかし、どこにも獲物の姿が見当たらない。
 「人ばあんまりびっくりさすもんじゃなか。」とくろくちを叱り付けたが、くろくちはいっそう強くほえ続けた。獲物が取れず気が立っていた佐吉は、かんかんになって怒り、発作のように手にした鉄砲でくろくちを撃ち殺してしまいましった。
 すると、しげみがざわざわとなって、大きな蛇が鎌首をもたげたではないか。佐吉は夢中で鉄砲を撃って命拾いをしたが、われに帰った佐吉は胸がしめつけられた。 
 「くろくち、そうだったのか。おまえはわしば助けようと思うて、蛇がくるのを教えてくれたのか・・・・。」 佐吉はくろくちのなきがらにとりすがって泣き伏し、とうとう思い余って、鉄砲で自分の胸を撃ってしまった。
 この話を聞いてかわいそうに思った庄屋は、佐吉とくろくちと鉄砲の墓を立てた。そして誰ということなくそのお墓のある山を石ヶ塔と呼ぶようになったげな。




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